韓国の兵役でカップルは本当に別れるのか
兵役は関係に負荷をかけますが、別れを決める法則ではありません。現在の連絡環境、休暇の不確実さ、ジェンダー化された「コムシン」の役割を整理します。

兵役は恋人関係に大きな負荷をかけます。ただし「韓国の軍隊に入れば別れる」というのは統計で裏づけられた法則ではありません。いまは服務期間が短くなり、携帯電話を使える時間帯も設けられています。それでもつらいのは、電話・面会・休暇がいつ実現するかを本人たちだけでは決められないことです。
昔の兵役イメージを、そのまま現在に当てはめない
英語圏の古い体験談には「ほぼ2年間、電話もほとんどできない」と書かれたものが目立ちます。しかし現行の兵務庁案内では、陸軍・海兵隊18か月、海軍20か月、空軍21か月です。
携帯電話の運用も変わりました。2024年8月に国防部が示した方針では、一般兵は平日18:00〜21:00、週末・祝日8:30〜21:00が利用時間帯で、訓練兵は週末・祝日に1時間利用できます。国防部の政策記録と発表時の報道で確認できます。ただしこれは必ず通話できる予約枠ではありません。訓練、警戒勤務、野外活動、部隊事情で予定は変わります。
問題になりやすいのは無音より「予定が読めないこと」
最近の体験談では、まったく連絡できないことより、連絡と休暇の日程が動き続けることが負担として語られます。2025年のあるNAVERブログの記録では、GOP部隊に服務する恋人の初休暇まで約3か月かかり、想定していた外出・外泊がなく、休暇と仕事が合わないこともありました。これは一人の部隊固有の経験であり、全国共通の日程ではありません。ただ、公式の電話利用時間だけでは解決しない「待機」の重さがよく分かります。
短い休暇には家族、友人、用事、休息、恋人との時間が集中します。一方が「休暇=二人の時間」と考え、もう一方が「全員に会える唯一の時間」と考えていれば、会う前から摩擦が生まれます。待つ側の学校、仕事、家賃、家族行事も止まりません。
2018年と2019年のRedditには、訓練後の連絡頻度が分からず不安になる声が残っています。現在の携帯電話方針より前の投稿なので、いまの利用時間の根拠にはできません。ただし、不確実さが不安を増幅する様子を知る歴史的な資料にはなります。
「곰신(コムシン)」は愛称であると同時に役割でもある
곰신は、男性兵士を待つ恋人の女性を指す言葉です。除隊前に別れることを「ゴム靴を逆に履く」、待ち切った恋人に「花靴を履かせる」と表現することもあります。親しみのある言葉ですが、待つ、手紙を書く、日数を数える、荷物を準備する、忠誠を証明するという仕事を一人に割り振る側面もあります。
訓練所へ送る封筒を毎週飾る文化は、その労力をよく表しています。楽しい愛情表現になり得る一方、「正しく待つ恋人」の基準になれば負担にもなります。

さらに、この名称は異性愛の女性が男性兵士を待つことを前提にしています。同性カップル、国際カップル、この役割名を好まない人たちも同じ日程問題を抱えます。Ewha VoiceとThe Korea Timesの過去記事は、この「待つ彼女」像が広まった背景を知る資料です。

信頼できる全国破局率はない
ネットには「兵役中に何割が別れる」といった数字がありますが、兵役を原因として切り分けた公的な全国統計は広く確認されていません。交際の開始時期も状況も違い、別れは私的な出来事だからです。
よく参照される2018年の韓国研究は、恋愛関係の困難を抱えていた前方・後方各1個師団の陸軍兵士239人を調べたものです。その選定標本では、カップルのレジリエンスが高いほど軍生活ストレスが低く適応が良いという関連がありました。しかし全国の破局率を算出した研究でも、軍隊が別れを引き起こすと証明した研究でもありません。ScienceONの抄録と標本説明を読むと範囲が分かります。
つまり兵役は「別れを作る機械」ではなく、これまで見えにくかった期待のずれを拡大するストレス要因です。
大げさな約束より、具体的な三つの相談
入隊前に、最低限の連絡リズムと代替案を決めます。「毎晩1時間」より「電話できない日は短いメッセージ」のように、待機で一晩を失わない仕組みが現実的です。
初休暇が決まる前に、家族、友人、休息、二人の時間をどう考えるか話します。軍の直前変更をなくすことはできませんが、希少な休暇を誰のものだと考えているかは確認できます。
待つ側は通知だけを中心に生活を組まないことも大切です。最近のNAVERの記録Aと記録Bでは、仕事、学校、友人、日常が待つ期間を支えたと語られています。自立すれば必ず続くという意味ではなく、兵役を生活の全部にしないためです。
兵役中に別れるカップルはもちろんいます。ただ、より正確なのは「兵役が自発性を減らし、短い通話と休暇に期待を集中させ、努力の偏りを見えやすくする」という説明です。関係が終わるかどうかは制服そのものより、その圧力を二人でどう扱うかに左右されます。
参考資料・画像クレジット
- 兵務庁・服務期間FAQ — 軍種別の現行18・20・21か月。
- 国防部・携帯電話政策 — 兵士の携帯電話所持拡大に関する公式記録。
- 東亜日報 — 一般兵・訓練兵の利用時間。カバー写真:News1。
- SPN — 任務による利用制限。本文写真:国防日報。
- 中央日報 — 携帯電話保安の背景。本文写真:News1。
- 546日間の軍人カップル日記 — 特定部隊での休暇と連絡の体験。
- 訓練所向け封筒の記録 — 本文写真:17_bom。
- 除隊と花靴の記録 — 本文写真:suyom23。携帯画面はDelivery Spotがぼかし処理。
- ScienceON研究 — 標本と相関の範囲。全国破局率ではない。
- Ewha Voice — コムシン文化の歴史的背景。
- カバー配信アセット — News1(出典URLは上記東亜日報)。
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