韓ドラ会社の役職|サウォン・テリ・クァジャンから代表まで
韓国オフィス場面を、従来の職級、現在の役職、役員呼称、呼びかけに分け、日本語の役職と完全一致させずに読み解きます。

韓国ドラマで人物が대리님(テリニム)、팀장님(ティムジャンニム)と呼ばれているのに、字幕が名字や「上司」だけになると、場面の情報が一段消えます。韓国語の呼称は、従来型の職級、現在任されている役職、敬意の向きまで同時に伝えるからです。誰が書類を確認し、誰の承認で議論が終わり、昇進で関係がどう変わったかも読みやすくなります。
ただし、日本語の「課長」「部長」に漢字が似ていても、同じ組織・同じ権限だと決めつけないでください。韓国企業も職級を省略・統合・改称し、フラットな呼び方を使います。まず物語上の上下関係を示す手掛かりとして聞き、会社ごとの設定と人物の行動で確かめます。
まずこの7語を聞き分ける
- *사원 sawon(サウォン):* まずは社員、新入・若手の段階を指すことが多い語として読みます。必ず入社1年目とは限りません。
- *대리 daeri(テリ):* まずは経験を積んだ若手側の職級として読みます。日本語の「代理」や英語のassistant managerと職務が同じとは決めつけません。
- *과장 gwajang(クァジャン):* まずは中間職級で、案件の確認・担当責任を持つことがあると読みます。必ず部下を持つ日本式の課長ではありません。
- *차장 chajang(チャジャン):* 伝統的には과장と부장の間に置きます。日本式の次長と完全一致すると考えないでください。
- *부장 bujang(プジャン):* まずは上位の非役員職級で、部門級の経験を示すことが多い語として読みます。現在の役職も必ず部門長とは限りません。
- *팀장 teamjang(ティムジャン):* まずはそのチームを率いる役職として読みます。全社共通の固定職級ではありません。
- *대표님 daepyo-nim(テピョニム):* まずは会社を代表・運営する人への呼称として読みます。CEO、所有者、創業者が必ず同一人物とは限りません。
語尾の-님(ニム)は職称に敬意を添えます。職場では名前を使わず、職称だけで相手を呼ぶことも普通です。
従来型の職級順
よく示される順序は사원 → 대리 → 과장 → 차장 → 부장です。国立国語院の公式韓国語教材もこの並びを紹介しています。ドラマを見るなら、訳語より先に相対的な上下を覚えましょう。
사원(sawon)
採用後の最初の職級として使われることが多く、字幕は「社員」または名前だけになることがあります。一方で会社員全般を指す文脈もあります。sawonと紹介されたからといって、入社初日とは限りません。勤続年数、担当、周囲の話し方を合わせて判断します。
대리(daeri)
従来型では、経験者だとはっきり分かる最初の段階です。顧客を担当したり、後輩を調整したり、自分の業務領域を持ちながら上に報告します。日本語で「代理」と直訳すると役職代行の意味に引っ張られるため、韓国企業内の職級として聞くほうが実用的です。
과장(gwajang)
確立した中間職級。作品内では案件を任され、若手の成果物を確認し、通常の判断を承認する人物として描かれます。ただし職級名だけでは、直属部下を持つチーム管理者だとは証明できません。
차장(chajang)
従来型ではgwajangとbujangの間です。字幕で両方を「部長」「マネージャー」とまとめると、報告関係を説明する差が消えます。作品の会社が別の制度を示さない限り、上位の中間職級として読みます。
부장(bujang)
従来型の上位非役員職級で、部門級の経験や責任と結びつくことが多い語です。「部長」「部門長」「ゼネラルマネージャー」などに訳せますが、どれも普遍的ではありません。bujang職級の人物が、別名の役職を担当することもあります。

『ミセン』はこの階層が特によく聞こえる作品です。人物は繰り返しdaeri、gwajang、chajangと呼ばれます。社員証や机は同じ職場だと示し、呼称は互いが組織内でどこにいるかを示します。
職級と役職は別の質問
직급(jikgeup)は等級・職級、직책(jikchaek)は現在担う責任・役職です。実際の会社が常に教科書どおり用語を分けるわけではありませんが、この区別で多くのドラマの疑問が解けます。
팀장(teamjang)はチームリーダー。sawon–bujangのどこか一段を指すのではなく、誰がチームを率いているかを示します。会社によってgwajang、chajang、bujang、または簡素化された制度の社員がteamjangを務めます。
2026年の韓国土地住宅公社人事規定では、複数の職級に「チーム長」という職位が置かれ、違いが具体的に確認できます。JTBCの2025年公式*ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語*人物紹介も、ある人物を部長/営業2チーム長、別の人物を常務/営業本部長と併記しています。一方が職級、もう一方が現在の仕事です。
そのため同じ人物が、人事の話ではキム課長、部下から決裁を求められる場面ではチーム長ニムと呼ばれます。話し手がどちらの情報を必要としているかを聞きましょう。
年齢、服装、自信のある態度だけでは組織図になりません。誰が仕事を振り、誰が確認し、誰が差し戻し、誰が上へ報告するかを見ます。字幕が複数の韓国語職称を「上司」にまとめても、決裁の流れが実質的な階層を示します。
従来型社員職級の上にある語
財閥、法律事務所、芸能事務所、同族企業を扱う作品では役員呼称が増えます。日本語字幕の対応は、会社形態と作品の翻訳方針で変わります。
- 이사(isa)・상무(sangmu)・전무(jeonmu): 一般社員の職級より上の役員層。理事、常務、専務など漢字対応はできますが、日本企業と権限が同じとは限りません。作品内の相対順を優先します。
- 부사장(busajang): 副社長。従来順ではjeonmuより上に置かれることが多いものの、管掌と法的権限は会社次第です。
- 사장(sajang): 会社社長。presidentまたはCEOと訳されても、両者が自動的に同じ役割になるわけではありません。
- 대표/대표이사(daepyo/daepyo-isa): 代表、代表理事。小規模事務所やスタートアップでは대표님が運営トップへの日常的な呼称になり、「社長」「代表」「ボス」が物語に合うことがあります。ただし所有者・創業者だとは証明しません。
- 회장(hoejang): 会長。財閥ドラマでは一族トップであることが多い一方、すべての代表・社長の上に同族会長がいるとは限りません。
JTBC公式*代理店*人物紹介は、1つの架空企業内にdaeri、chajang、bujang、CD、sangmu、daepyoを並べます。ひとつの日本語訳だけで全関係を保てない好例です。
実際の呼びかけを読む
職称 + 님
敬意ある職場呼称には대리님、과장님、팀장님、대표님があります。同じ職称が複数いれば、김 대리(キム・テリ)、김 대리님のように名字を付けます。-nimがない形も自動的に失礼ではなく、上下、親しさ、会社慣行、声色で変わります。
선배(sunbae)
先輩社員、または学校・職業・組織に先に入った人を表す関係語で、会社の職級ではありません。daeriが誰かのsunbaeになることも、同じ正式職級の2人に先輩後輩関係があることもあります。
씨(ssi)
名前に付ける丁寧な接尾辞で、同僚間や同等・下位の相手に使われることが多い語です。-nimと置き換え可能ではありません。同じ形でも、中立、距離、牽制、見下しは話者関係と声色で変わります。
呼称を変える・外す
急に下の名前、以前の職称、冷たい名字+ssiを使うとき、親密化、対立、降格、新しい地位を認めない意図が示されることがあります。辞書訳より「何から何へ変わったか」が重要です。
現代ドラマがフラットに聞こえる理由
現在のすべての職場が従来型職級を日常呼称に使うわけではありません。複数の職級をマネージャー、プロ、シニア、プリンシパル、英語名、全員共通の-nimに置き換えつつ、リーダー役職だけを残す会社もあります。
Samsungの2017年サステナビリティ報告書は、-nim、プロ、英語名など柔軟な呼び方とリーダー役職を記録した、年代の明確な企業事例です。特定改革の証拠として使い、韓国企業全体の現在形へ一般化しないでください。
スタートアップ作品が『ミセン』と違って聞こえるのはこのためです。従来の階層語は重要な聞き取り語彙ですが、すべての現代企業へ当てはめる雛形ではありません。
字幕で起きやすい6つの落とし穴
- 「マネージャー」が複数の語を隠す。 Daeri、gwajang、chajang、bujang、teamjangは別の情報です。
- 漢字が同じでも日本企業の役割と同じとは限らない。 とくに課長・部長は組織設定を確認します。
- チーム長だけでは職級が分からない。 旧制度のどの段階か、制度外かを別に読みます。
- 대표を「CEO」とすると情報を足しすぎる場合がある。 所有者・創業者・法的役職は会話だけで確定しません。
- 年齢は組織図ではない。 年上の中途社員が年下チーム長へ報告することもあり、sunbaeと正式職級が別方向を指すこともあります。
- 会社が変われば読み直す。 本社、系列社、公企業、スタートアップ、法律事務所、芸能事務所で同じ階層を流用しません。
次のオフィス場面を5段階で読む
- 呼びかけの最後を聞く。 字幕が「キムさん」でもgwajang-nimと聞こえたら韓国語職称を控えます。
- 職級・役職・役員・関係語に分類する。 Gwajang、teamjang、sangmu、sunbaeは別種の情報です。
- 決裁経路を見る。 誰が指示、確認、承認、拒否、上申するかが場面の実用階層です。
- 呼称の変化に気づく。 昇進、降格、親密さ、皮肉、反抗は呼び方に先に表れます。
- 会社ごとにリセットする。 公式人物表、字幕、社員証、台詞からその職場の制度を作り直します。
この層を分けると会社場面が鮮明になります。昇進はラベル交換だけではなく、以前の職称で呼ぶことは計算された侮辱になり、職称から名前への切替は関係の変化を示します。
情報と出典の利用可否は2026年8月12日に再確認しました。この順序は従来型を読む補助線であり普遍規則ではなく、組織が定義しない限り各日本語訳は近似です。
出典・画像クレジット
- 国立国語院 韓国語教材 — 사원から부장までの公式教材上の順序。全企業共通規則ではなく従来型の補助線として使用
- 韓国土地住宅公社 2026年人事規定 — 職級とチーム長などの職位を分ける現行公企業例
- JTBC『代理店』人物紹介 — 1社で대리、차장、부장、CD、상무、대표を使う公式ドラマ例
- JTBC『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』人物紹介 — 부장と팀장、상무と本部長を併記する2025年公式ドラマ例
- Samsung 2017年サステナビリティ報告書 — フラットな呼称の年代付き企業例。韓国企業全体へ一般化しない
- Delivery Spotカバー画像 — 『ミセン』オフィス場面。CJ ENM/tvN公式フォトギャラリー
- 『ミセン』給水機場面 — 公式ドラマ写真。CJ ENM/tvN提供
- 『ミセン』共有デスク場面 — 公式ドラマ写真。CJ ENM/tvN提供
- 『ミセン』地球儀場面 — 公式ドラマ写真。CJ ENM/tvN提供
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